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- どーしてこうなっちゃうの? と作った自分で問
- い直しちゃうけど、これはただ単語をランダムに
- 並べてるだけ。イージーなんだよね。もっとも、難
- しいことができないんだから仕方がない。いろいろ
- 考えてるんだよ。ランダムに選択した単語を並べた
- 文章に意味を持たせる方法をね。使う単語はそれぞ
- れ20種類ずつ用意してあるんだけど、そのすべてを
- 意味合いによって分類しておく。明るいとか、暗い
- とか、痛いとか、臭いとかね。そして、適当に並ん
- だ単語を見て、全体的な意味をとらえる。そこから、
- そこで決められた意味に対応した展開をさせるって
- わけ。でもさ、すごく難しいでしょ。手間がかかり
- そうで。ボクは文系だから、ちょっとでも変数とか
- フラグとかが複雑になるとアウトなんだよね。もっ
- と時間があれば、よーく考えながら作れるかもしれ
- ないけど、時間に追われて作業している環境だと、
- 無理だわね。
-
- 文章をランダムに展開させる場合、問題になるの
- は、せっかくランダムに出るのに、たった1度しか
- 表示されないのだったら、ランダムじゃなくても同
- じじゃないの? ってことだ。100種類の組み合わせ
- の文章が表示できたとしても、1回しか見てもらえ
- ない部分にそれを使うのは無駄だよね。何回も見て
- 楽しんでもらいたいじゃないの。その変化をさ。最
- 近ほら、子供の学芸会みたいな芸が流行ってるでし
- ょ。東京系のコントグループなんかで。コント赤信
- 号あたりからかな、学芸会っぽくなってきたのは。
- 身近な話題でちょっと笑えるっていう感じのコント
- だよね。学生時代に酒を飲みながら話してた馬鹿話
- をそのまま脚本にしたみたいな。コント赤信号が出
- たときは新鮮でよかった。面白かったし。でも、そ
- のパターンだけを踏襲しちゃった子供たちが出てく
- ると、もうダメね。まるで学芸会で。パターンから
- 入ってるからそこから先へ発展しないのね。笑いの
- ネタも小さいし、ああいうのが最近の若い連中の好
- みなのかなぁ。どろんとして、当たりさわりがなく
- て、四畳半的なごく小さな閉じた空間の中で完結し
- ちゃってるみたいな感じでさ。
-
- で、なにがいいたいのかと申しますと、あの手の
- コントの人たちって、よくひとつのネタをしつこい
- ぐらいに繰り返すでしょ。なんでもないコントにタ
- イトルをつけて、その1、その2……とか、なにな
- にだった場合……とかさ。アイデアが多い場合は、
- 脚本を練る段階でつまらないのを削って、いちばん
- 面白いの1本を見せるのが本当じゃない? なんか、
- みみっちい感じたしちゃってさ、そういう煮えきら
- ないのって、嫌いなんだよね。これが選択肢物のゲ
- ームの場合になると、すべての選択肢を見せちゃっ
- たら、面白さは半減しちゃうから、10コの選択肢が
- あっても、そのうち1つを選んでもらったら、あと
- の9コは捨てることになる。それがこの世界だ。
-
- でもボクは、今ここで、その1その2コントみた
- いなことをやろうとしている。ランダムでころころ
- 変わる文章だったら、その変化自体を楽しむという
- 意味があるから、むしろ何度も見てほしいなって思
- うからだ。ランダム表示には、作った本人のコント
- ロールが効かないある程度の意外性やリアルタイム
- 性があるんで、けっこう面白かったり、ぜんぜん面
- 白くなかったりするんで、ちょっと見てやってちょ
- ーだいってこと。ああ、なんてことだ! これまで
- ずっと自分の作ったものに説明を加えることを、あ
- れほど拒んできたのに! あーだこーだと言い訳が
- ましい理屈をこねるようになると、ボクももう終わ
- りだね。こうなったら、お正月の支度でもするか。
- 「もー、リークツねーるとー……」なんちゃって。
-